ホーム > 経済同友会概要-平成20年度 事業計画

平成28年度 事業計画

1. 基本認識

わが国経済は、緩やかな回復を続けている。中国をはじめとする新興国経済減速の影響が、輸出や生産面に出ているが、企業収益は、円安や原油安の影響もあって過去最高水準に達している。家計は、企業の人手不足感が強まる中で、雇用・所得環境の改善が着実に進んでいる。この結果、企業および家計において、所得の改善が投資や消費に繋がる「前向きの循環」が徐々に生じつつある。この間、海外からの観光客数が大幅な増加を続け、わが国経済に恩恵をもたらしている。これらを踏まえると、わが国経済の先行きは、世界経済に不確実性があるものの、ゆるやかな回復を続けていく可能性が高い。鹿児島経済も、全国よりゆっくりとしたペースではあるが、緩やかな回復過程にある。

 しかし、日本経済および鹿児島経済は、人口減少、少子高齢化という、過去に経験したことのない大きな構造変化に直面している。日本経済および鹿児島経済にとって、この大きな構造変化に適応できるかどうかが最大の課題である。鹿児島県の人口は、1955年に200万人超のピークをつけた後、一時的に増加した1975〜1985年を除き、減少を続けている。この間、鹿児島からは、毎年、約5千人の若者が県外へ流出している。こうした人口減少、少子・高齢化は、企業経営者のマインドに大きな影響を及ぼしている。

 我々経済人は、鹿児島経済が大きな構造変化に適応していくために、時には、過去の経験で培われた価値観や組織文化について、原点を見失わずに、変えるべきものは変えていく覚悟が必要である。価値観や組織文化を変えることは容易ではないが、悲観論や楽観論ではなく、「強い危機感」が克服の鍵となろう。景気が回復過程にある今こそ、より強い危機感を持ち、創意工夫によって構造変化に適応していくチャンスである。

 人口減少は、とかく悲観論を招き易いが、それ自体が直ちに経済の停滞・衰退につながるわけではない。わが国の戦後高度成長期を振り返ると、1950〜1990年までの経済成長率は平均+7%程度であるが、この間の人口増加率は+1%程度に過ぎない。高度成長の原動力は、人口要因よりも、「生産性の上昇」であり、それを可能ならしめたのは「イノベーション」であった。人口減少のもとでも、生産性上昇で一人当たり所得が増加し、モノやサービスの高付加価値化が実現できれば、経済が停滞・衰退することはない。この点は諸外国の例をみても明らかである。イノベーションは、機械化などによる合理化・効率化だけでなく、従来とは異なる新しい方法・考え方・モノ・サービスを生み出し、普及させ、人々に新しい価値をもたらすことである。「新機軸」「能動的な変化」とも言える。通常、こうした新しいものは付加価値が高い。例えば、ITを活用して、モノやサービスの生産・物流・販売の効率化を図ることが挙げられる。また、魅力的な歴史物語や体験とセットで商品販売や観光案内を行うことなど、技術以外の取り組みも立派なイノベーションである。

 若者が減少する少子化も、経済の活力が失われるとの悲観論を招き易いが、経済の活力は「人数」だけに規定されているわけではない。むしろ、少子化が進んでいるからこそ、過去の経験やしがらみの少ない若者が、柔軟な発想で挑戦するような教育・人材育成の重要性が高まっている。また、そうした若者の意欲や活力を活かす場を創る必要もある。そうした取り組みは、「人数」に着目した議論に加え、教育・人材育成、職場環境を含めた「質」を問い直すイノベーションが必要であることを意味する。鹿児島がイノベーションに挑戦し続け、若者の柔軟な発想と挑戦を受け止め、より高い付加価値を生み出す魅力的な土地となれば、若者の県外流出抑制にもつながるだろう。

 鹿児島の最大の魅力は、資源に恵まれていることである。第一に、温泉、世界自然遺産である屋久島のほか、奄美群島や桜島などの「豊かな自然」がある。第二に、全国トップクラスの生産量を誇る畜産品、水産品、焼酎などの「食」がある。これらの高付加価値化を図る余地はまだある。第三に、2015年7月に明治日本の産業革命遺産として世界文化遺産に登録された旧集成館や、明治維新に活躍した人物の物語などの「歴史・文化」がある。これらの魅力ある遺産と、それらにまつわる人物達の物語は、鹿児島の観光を大きく支えるだろう。最後に、こうした「自然」「食」「歴史・文化」の全てが揃っていること自体が、他の地域にはない大きな魅力である。これら一つ一つの要素は、他の地域との厳しい競合に晒されるが、「全てが揃っている」という魅力を活かすことができれば、「来るたびに新しい発見がある土地」として、リピーター増加にも貢献するだろう。

 我々経済人は、強い危機感のもと、鹿児島の比較優位を活用し、それぞれの分野でイノベーションに挑戦することを通じて、未経験かつ大きな構造変化に適応していく重要な役割を担っている。鹿児島経済同友会では、こうした現状認識のもと、産業振興、市街地活性化、地域魅力向上、観光、教育・人材育成、環境・エネルギー、公民連携推進の各委員会を組織し、引き続き諸課題の検討、提言活動に取り組み、鹿児島経済の持続的な発展に貢献していくこととする。

ページの上へ移動

鹿児島経済同友会
tel:099-222-4492
fax:099-225-0402
info@kagoshima-keizaidouyukai.jp
| プライバシー・ポリシー |